オンライン授業の初期実施状況
本校では新型コロナウィルス対策のため4月8日水曜日から休校措置を実施し,その間,TV会議システムZoomを利用してオンライン授業(遠隔授業)を実施しています。
実施概要
- 期間 :4月13日(月)から実施。
- 授業時間:朝のホームルームと50分授業を1日3回実施。その他に課外授業を30講座前後実施。
- 実施教科:全教科(保健体育,芸術,技術家庭,情報,総合,道徳も含む)
- 参加者 :全校生徒約700名。毎日ほぼ100%が出席。
実施の意義
通常授業の補填を目的に運用を開始しましたが,実際に進めるにつれ授業自体の根本的な見直しにつながることを実感しています。
従来の授業方式は,新たな技術(ICT)と相性が悪く,物理的に跳ね返されてしまうことが多々あります。例えば,板書です。通常の授業では取り立てて意識せず,自然に使いこなしているものですが,字が小さかったり端が切れたりして端末では見えにくくなってしまいます。オンライン授業を始める教員はみな,まずこの壁にぶち当たります。 |
画面に映る範囲の確認 |
これをどう乗り越えるか?そこで,試行錯誤が生まれます。黒板にテープを貼って書くスペースを固定したり,小型のホワイトボードを用意したり,タブレットPCを用意して板書アプリと連携したり……。 |
板書アプリとの連携 |
オンラインでできることは何か?オフラインとどのように組み合わせるか。 今後,学校が再開した後に,オンラインで気づいた他の可能性を視野に入れ,授業が展開できるようになるはずです。新型コロナウィルスを奇貨として,授業自体を根本的に見直す機会と前向きにとらえたいと考えています。
生徒アンケートより
4月中のオンライン授業について生徒からのフィードバックです。アンケートは4月30日(木)に実施し,531名(701名中)の回答がありました。アンケート結果をもとに今後の授業改善に活かします。
■回答者 531名/全校701名
■オンライン授業の満足度
■良かった点(自由記述で285件の代表的な回答)
〇双方向性(46%)
- オンライン授業は,録画した物を見るだけだと思っていたのですが,ライブなので質問がその場で出来るところがいいところだなと思いました。(1年)
- 皆に聞かれたくない事を,プライベートチャットで聞ける所が良い!(1年)
- 普段の授業より緊張しにくいのでよい。英語などは少人数で先生との会話のキャッチボールができで面白い。(1年)
- 教師と生徒がコミュニケーションをとることが出来る。(2年)
- ビデオを通してみんなと話し合う事ができる。(3年)
- 授業に関する意見を容易に交換することができる点。(4年)
- オンラインでも,グループに分かれての話し合いがあるところや課外があるところ。(5年)
- 生徒へ質問したり呼びかけたり,積極的な姿勢が見える。(6年)
〇授業の維持(35%)
- 授業ができてうれしいです。(1年)
- 授業中にのびとかができて,リラックスして授業を受けれること。(1年)
- 休校になり,このオンライン授業を早く実施したこと。(2年)
- 先生によって授業の仕方は違うけれど,ほぼいつもどうりで分かりやすいです。(3年)
- 学校に行く必要が無いため非常にリラックスした状態で授業を受ける事ができ,普段より勉強に力が入る。(4年)
- オンライン授業ができてること自体がいいと思います。(5年)
- 授業が進んでいるのでなんやかんや嬉しい。(6年)
〇資料の伝え方(15%)
- 先生方が,パワーポイントなどで見やすく工夫してくださったり,後から授業内容をGoogleドライブに載せてくださる先生方もいて,後からも授業の振り返りや,聞き逃してしまったところなどを見ることが出来る所や,チャットなどを使って質問ができる所です。(1年)
- 私自身あまり目が良くなくて,黒板だと字が見えないことがあるのですが,オンライン授業は画面に表示されてとても見やすく,書き忘れや漏れが防げるので助かっています。(2年)
- スクリーンショットを撮れるので,後でノートを丁寧に書くことが出来ます。課題を自学するだけよりわかりやすいです。(3年)
- パワーポイント等の資料がより見やすい。(4年)
- 画面共有をして下さって,それぞれの先生方が工夫を施して下さっているところ。(5年)
- パワーポイントの使い方がすごい。(6年)
〇健康面(4%)
- 生活が規則正しくなる(1年)
- コロナ感染の心配が全くない。(2年)
- マスクが減らない。(3年)
- 朝と夜が逆転しないで過ごせる。(4年)
■問題点や要望(自由記述で190件の代表的な回答)
〇通信不具合(45%)
- 授業開始の時に,なかなか繋がらない時があるので焦ります。授業がとても面白いので,毎日楽しみにしています!(1年)
- 音が割れて聞こえにくいことがある。タイピングに慣れておらず,返事を打ち込む前に授業が先に進んでしまう。(1年)
- 家のインターネットの環境があまりよくないので授業に遅れないか心配な時がある。(1年)
- Wi-Fi環境が悪い授業だと,ほとんど一時間確認や調整で終わってしまうことがある。(2年)
- 出席確認が,授業に入ってからで時間がかかることがあるので全員2〜3分前に入室するようにしたほうがいい。(3年)
- ミュート解除をしてしまうと先生の声が聞きづらくなってしまう。(3年)
- 授業によってかくついてしまったり画質が一時的に悪くなるところ(4年)
- 周りの音の心配がある。(5年)
- タイムラグが起こる点(6年)
〇授業の質(23%)
- 不慣れ,理解不足が心配です。学校が始まったら,復習の時間を作ってもらいたいです。(1年)
- 通信の不具合や自分達の反応を確かめながらだから,進みがゆっくりな気がする。(2年)
- ちょっとぐだる所(3年)
- 家だから少し軽くなってしまう(4年)
- 仕方のない事なのかもしれないけど,1日3時間しかないので,授業をもっとスピーディーにやって欲しいです。(6年)
〇授業の体制(19%)
- 課外授業がもっと増えるとうれしいです。(1年)
- 授業のコマ数を増やしてほしい。(2年)
- オンライン上のチャットだけではなく,オフラインでも教科ごとの先生と連絡が取れるようにラインなどの連絡手段を使えるようにしてほしい。(4年)
- 顔を出したくない生徒もいる。(4年)
- コロナが収束しても,オンライン課外授業をやってほしい。(5年)
- 朝課外なんてあったらいいななんて思いました。(6年)
〇資料の伝え方(8%)
- プリントが多くて分からなくなる。(1年)
- グーグルドライブが開けない。(2年)
- Googleドライブからプリントを印刷する際になかなか入れないことがあります。そして授業が始まってからプリントアウトしてくださいと言われると家にお客様が来ている際にプリントアウトできない場合があり,前日又は朝のSHRにてお知らせして欲しい。(4年)
- パワーポイント,ワード以外の板書が見づらい(6年)
〇健康面(4%)
- ずっとパソコンの画面を見ていると頭痛が時々する。(1年)
- 先生やお友達と繋がって嬉しいけど,午後の授業が終わると,疲れてしまいます。(2年)
- 長時間,電子機器を見ていることで目への負担が大きい。(4年)
生徒アンケートを受けての今後の改善策
① 通信の不具合
自宅で使用する端末が十分に使えないという場合には,学校のPCなど備品を貸し出すことが可能です。ぜひ申し出てもらえたらと思います。既に教科書配付の際に渡したご家庭もあります。今後,もし要望がありましたら伝えてください。通信の不具合が発生した場合にできるだけ迅速に対処することを目指します。そのために,Google Classroomなど情報共有のしやすい他のアプリケーションを併用することを検討しています。
② 授業の質や資料の伝え方
アイディアを教員間で共有していきます。資料を伝える際にパワーポイントやワードなどを活用したり,グループワークをする際にブレークアウトセッションを活用したりするなど具体的なアイディアを共有していきます。
③ 時間割編成と健康面への配慮
現在,50分授業を3時間行っていますが,確かに本来の授業と比べると,時間数が少ない状態になっています。一方で,健康面への配慮から時間数を大幅に増やすことにも問題があります。両者のバランスを考えて,今後の時間数を検討します。その際,オンライン授業だけでなく,授業の予習復習,課題演習の時間など他の学習形態も視野に入れていきます。自学習の時間を取るにしても,例えば,Google Classroomなどのアプリケーションも活用して双方向の添削指導などをできるようにしていきたいと考えています。
その他,Zoomシステムに関するご意見も頂戴しています。今後,Google MeetやWebExなど他の会議システムの運用も検討していきます。
お問い合わせ
ご意見をお気軽にお寄せください。授業改善に活かします。
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担当:藤田晃久
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