校長通信 第2回

全校保護者会を終えて

 保護者の皆様、お忙しい中、全校保護者会にご参加下さり感謝します。1学年の参加率は8割を超えました。この教育への関心度こそがお子さんのやる気に直結しますので、今後ともご協力の程、宜しくお願い申し上げします。

 保護者会のあった土曜日には、何人かの卒業生が来校しました。

 そのうちの一組は9期生の大浦雅世さんと下村弥久さんです。9期生は社会人2年目、大学院修士2年目となります。私学は転勤がほぼゼロですので、卒業生も安心して様々な報告や相談に訪れます。この二人には進路指導で面倒を見た宇佐神先生が対応してくれました。私自身、下村さんのことは鮮明に覚えていました。子どもの貧困をどうにかしたいという思いが強く、実家のお寺に子ども食堂を開きたいという具体的なモデルまで考案して、そのプランを持って昭和女子大の食健康科学科を卒業しました。現在は大正大学に編入して、たぶん僧侶を目指しているのだろうと思います。数年したら、夢の子ども食堂がオープンするでしょう。また、大浦さんは医療従事者になって患者さん中心のチーム医療や女性のための産婦人科を望んでいました。現在、杏林大学の附属病院で助産師の免許を持つ看護師として、新生児集中治療管理室回復室に勤め、非常に難度の高い治療や回復に尽力しているそうです。二人とも「思い」を形にした凄い卒業生たちです。

 もう一人4期生の大久保侑里さんが10年ぶりに来校しました。彼女は仕事でニューヨーク勤務になったので挨拶に来てくれました。東京海洋大学で海洋資源を研究して卒業した彼女は流通の仕事でアメリカにいくビザが取れるかが不安だったそうですが、無事にワーキングビザが下りたそうです。後期課程でマレーシアに留学してカナダのオンタリオ州カリキュラムを履修したこと、当時日本の大学の入試事務局が海外での履修科目に疎かったことなど、彼女には大学に入るための難関がいくつもありました。ただ、彼女というか大久保家自体が非常にチャレンジングなご家庭で、やらないで後悔するよりやって後悔した方がいいという姿勢で何にでも取り組まれていました。というより人生を楽しんでいました。一家で転住したマレーシアではジャングルクルーズや自然を楽しんでましたし、弟の柊くんは水泳に目覚め、現在は社会人選手です。侑里さんは、大学で南極探査などさまざまな経験をしてきました。この為せば成るの強い「思い」は人生を豊かにするんだなと改めて思ったのです。

 あの時のあどけなさや夢見心地の顔から、現実を切り開いていくしっかりとした大人の顔に変わっていく卒業生たちからは毎回、刺激をもらいます。

 来月の卒業生講演会は出来るだけリモートから対面に切り替えて、私の感じた感覚を生徒たちにも味わってもらおうと考えています。

土浦日本大学中等教育学校
校 長 堀  切  浩  一

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