校長通信 第10回

 いよいよ令和3年度も最終月3月に入り、14期生の卒業式も厳粛にそして感動的に中等らしく挙行できました。生徒代表の言葉、保護者の方の祝辞、それぞれに想いのこもった素晴らしいものでした。当日の式典は現在も視聴できるので、まだご覧になられてない方は、どうぞご利用ください。式では11人の皆勤賞(6年間無遅刻無欠席)と11人の精勤賞(6年間で3日以内の遅刻欠席)が表彰されました。本校は6年間という長いスパンですから驚きの受賞です。その他にも様々な賞を勝ち取ってましたが、その裏には並々ならぬ努力があったのだろうと思われます。今後、日常が戻り全校生徒でこうした式典を実施できることを願っております。

令和3年度土浦日本大学中等教育学校 第14回 卒業式

卒業式式辞(抜粋)

 十四期生の皆さん、卒業おめでとう。長きに亘る感染症の行動制限にもめげずに様々な工夫を凝らして学校生活を充実させてきたことは、皆さんのこれからにきっと役立ちます。 経済を優先するか、健康を守るか、行動規制も何が正しいかは難しい問題です。社会問題を解決するときに立場や見方の違いから導かれる答えが一つでないことは往々にして起こりうることです。ましてや国際問題などは宗教や民族そして文化の違う人同士が自分の考えが正しいと言い争っています。グローバルな社会で一つだけの正解を見い出すのはとても困難なことなのです。君たちの六年間の中でも自分と違う意見や感覚を持った人がいたはずです。ただし違うからといって、排除したり攻撃したり無視したりすることの愚かさは本校で十分学んだと信じています。同じ釜の飯を食うという言葉がありますが、体験を共有することの大切さは言わずもがなです。こうして出来た中等の仲間は今後の君たち一人ひとりの拠り所となるでしょう。

 卒業して新しい社会に飛び出す君たちの世界は今後、どんどん広がっていきます。そして様々な価値観に触れていくことになります。それが多様性の中で生きるということです。そこで試されるのは違う価値を認め共存していく力です。

 この力を人ははるか紀元前のギリシャローマの時代に自由七科という今のリベラルアーツの起源となる学問で学んでいました。教養と訳されますが自分自身が社会の中で、より自由に生きるための技術のことです。この知恵、感性そして品格を君たちには今後とも磨いていってほしいと心から願ってやみません。

 本校卒業式も十四回目を迎え千四百人を超える卒業生が巣立ちました。そしてそれぞれの世界の新たな発見を後輩に伝えています。

 この伝統を十四期生の皆さんが受け継ぎ、次の世界のたくさんの挑戦と発見を後輩に物語ってくれることを祈念し、式辞といたします。

土浦日本大学中等教育学校
校 長 堀  切  浩  一

ページの先頭へ戻る