校長通信 第5回
前回の校長通信から2ヶ月が経ちました。この間、オリンピック・パラリンピック開催そして異常気象の中、コロナの感染拡大で、私たちの日常は目まぐるしく振り回されました。特に医療従事者の方の献身的な活動に心から感謝申し上げるとともに、本校生徒が学びを止めないように、出来る限り早くに日常生活に戻して学習の機会を確保していくことが私たち教育者の使命と考えています。
今週に入り、秋晴れのカラッとした天気が続いています。昨日は中秋の名月もまん丸く大きく見ることができました。順調にいけば10月から通常の学校生活が送られるようになりますが、学年が趣向を凝らした英語研修や大学見学会や美術館研修など9月実施予定の学校行事は断念せざるを得ません。今後の行事のオープンハウスや国内研修については状況をよくみながら判断していきたいと思ってます。
そんな中、14期生は日大基礎学力テストの最終局面に入りました。それ以外にも公募などの学校推薦型試験、総合型選抜などの年内入試が続きます。そして大学入試共通テストと年明けの一般試験です。インフルエンザなどの感染症には特に気を付けましょう。大学を受けるのは、その先の学習のためであるのは言わずもがなです。大学に入ってからの学習は自分の将来の方向付けとなり、そこで出来る仲間は未来に結びつくコミュニティとなるはずです。しかし、人は思い込みすぎて受験そのものが目的化してしまうことがあります。まず、自分が今やれることに全力を尽くしましょう。人生にはいろいろな節目があります。思い通りになることやそうでないこともたくさんあります。その一つひとつが経験となり深い人格を形成するのです。
私が目指すのは「学習する学校」です。学ぶ器である学校はもちろんのこと、取り巻く保護者や地域社会がさまざまな状況に応じて変化進化していく環境であるのが望ましいと考えています。たとえば、感染症MAXの時はZOOMで子どもの生活学習リズムを作ることがベストのように、都度々々の最適解を探っていきます。もちろん、私の頭の中だけで繰り広げるのでなく、教員保護者の意見を伺いつつ学習していきます。
このことは子どもの学習にも同様のことが言えるのではないでしょうか。視野を広げたり自分の論理性を高めたりするには一人より二人、仲間との対話が大事になります。また学んだことを定着して広げるには他人に教えることでより強固な知識として使えるようになります。今年の教育方針で謳っている「相互依存の関係」はまさにこのことを指しています。
人は生まれてから一人では生きていけません。人の中で社会の中で自分を高めていく生き物だと思います。その良好な教育環境をつくるために「学習する学校」を目指しています。
土浦日本大学中等教育学校
校 長 堀 切 浩 一